豊田泰光『プロ野球を殺すのはだれだ 』(ベースボール・マガジン社新書)

 さすがは豊田、よくぞ言ってくれたの内容。
 特に、歴史の尊重は自分もそう考えていただけに、共感できた。
 スーパースター不在の弊害は確かにそうかもしれない。自分の贔屓のライオンズだって、昔は清原が好きで、松井稼頭央になり、今はいないもの。
 あとはやはり西鉄の話が面白い。正直、あまり驚かなかった(ああ、半分。えっ!半分)のだが、三原退団後は、賭博、それもイカサマ賭博が横行していたという。

 しかし、河村英文(当時の主力先発)『西鉄ライオンズ―伝説の野武士球団』(葦書房)では、こんなエピソードがある。
 河村と八浪知行(外野手。ムードメーカー的存在だった)がキャンプからの帰り道、船待ちをしていると豊田を見つけた。河村が豊田のカネで土産物を買わせようと八浪に持ちかけ、いかさまジャンケンで豊田から巻き上げる…という話。
 こう書くと豊田は被害者みたいだが、続きがある。イカサマを見破った豊田は当然激怒するも河村の説得でなんと仲間に加わる。カモになりそうなチームメイトを血祭りにあげるばかりか、他チームの選手にまで仕掛けたというから恐れ入る。

 まあ、西鉄というのはこういう豪快?なチームだったから、といえばそれまでだが、豊田の指摘したイカサマ賭博も併せて考えると、やはり、「黒い霧」は必然だったのかな…と考えさせられてしまう。

 話が逸れたが、高校野球と応援については承伏し難い。
 前者はわたしが偽善と嘘の権化と思っているから。後者は踊らされて大騒ぎする張本人だからである。まあ、ご迷惑をおかけします…とは思っている。

 長くなったが、トリビアズムを。
 豊田が稲尾がライオンズの監督になった時に手紙を書いたという話が本書に載っているが、
 豊田によれば1969年秋、稲尾によれば1970年の開幕戦(新貝行生『鉄腕稲尾の遺言』<弦書房>)に書いた(受け取った)となっている。
 また、豊田は「便箋」、稲尾は「巻紙に墨」と両者でまるきり違う。共通しているのは、「長い手紙」ということであるが、はてどっちが正しいのだろう…。
 当事者の記憶が間違っていることはよくあるというのは、記録文学の名手吉村昭氏が語っているからそこはいいとして、この場合片方は当事者であるから調査は望むべくも無いし、もう片方は物故者である。こういう時は、編集者がちょっとでいいから当たってみてもいいのではないだろうか。版元は「ベースボール・マガジン社」なんだから。
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